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日差しから、まるで隠れるように影になる場所へ移動する。後ろめたいことは何ひとつないけれど、やはりどこか感じる背徳感のようなもの。抱き締めて、赤い髪に口付ければ頬を染める腕の中の少女。
城内の東の一角。白雪が部屋を城内に移してから、こうして時折誰にも知られないように短い時間逢瀬を重ねる。
大切で、愛しくてーー。
気持ちを抑えることが難しいほどに、愛しい。
上を向かせて、今日何度目になるかわからない口付けを交わす。愛しい熱をもっと感じていたくて、さらに深く口付ければくぐもった小さな声がした。
「……っゼ、ン…」
「……白雪?」
「ちょっ、と、……ちょっとだけ、待って」
真っ赤な顔をした白雪を見て、自制心が戻ってくる。惜しいとは思いながらも愛しい体温を離した。
「すまん、大丈夫か?」
「う、ん…。大丈夫、なんだけど足が……」
いつかのように足に力が入らなくなったらしい白雪を椅子に座らせる。あの時のことを白雪も思い出したのか、思わずふたりで笑いあった。
「前にもこんなことあったな」
「城内かくれんぼ、したね」
「あぁ、そんなに前のことじゃないが懐かしいな」
「……うん」
城内に部屋を置くことを許されて、おそらく兄上の信頼も得はじめている。ふたりを隔てていた距離は少しずつだけれど、近づいている。
あの時誓った言葉を白雪に伝えられるまで、もう少し。
「白雪」
「はい、ゼン」
「もう少し、待っててくれ。あと少し」
言葉の意味を理解して白雪が微笑む。
「……はい」
その微笑みに頷き返して、口付けをひとつ落とした。
誓いを、込めてーーー。
***
title:空想アリア
ゼンと白雪だとこれが限界だ!!ふたりのピュアさにやられてこれ以上踏み込めない!ゼン殿下、ちょっともう押し倒すとかしてみたらどうでしょう…(笑)
ところで、9月号読みました!あの様子だと誰にも知られずに逢瀬は厳しそうですね。しかもあの流れ読むと結構白雪への風当たり強そうだし、ゼンも白雪も立場を考えてそんなことしなそうだと感じました。まぁ、読む前に書いたものなのでその辺はご愛嬌ってことで…。
身分差問題が結構ガチっぽいので、俄然今後の展開が気になってきました!
身分差とか、ほんとツボだわー(´・ω・`)
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