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夜に溶けて(昌浩×彰子)




※またまた夫婦設定な昌浩×彰子。
大丈夫な方だけ、どうぞ。




***





彰子の背中に流れる黒髪をなんとはなしに眺めていた昌浩は、ふとその髪に手を伸ばした。
背を覆う黒髪は美しく滑らかで、その一束を手にとり、そのまま肩から前の方に流す。その行動を疑問に思ったのか彰子が身じろいだ。
身じろいだ彰子が振り返るよりも早く、一房よけたことで少しだけ見えたうなじに昌浩は唇を寄せた。
今度は小さく息を呑む気配だけがした。

口付けた肌は柔らかく甘やかで、どうしてこうも違うのか、その肌に触れるたびに不思議に思う。悪戯のように何度か触れて、そのまま次は首筋に口付ければ堪えかねたように声があがった。


「んっ、あ、あのっ……まさ、ひろ?」
「うん?」


返事をしながら、首筋を下から上に口付けていく。ふと視界に入った彰子の小さな拳が白くなるまで握り締められていて、少しかわいそうに思えてその上から自分の手を重ねた。拳が緩み、少しだけ強張っていた肩から力が抜けるのがわかった。そのまま後ろから抱き締める。

しばらく身動きひとつしなかった彰子が、意を決した様子で背後にいる自分を振り返った。頬を赤く染め、何かを言おうと口を開いたようだったが、その言葉を待てずに唇を塞いだ。

すでに夜の帳が降りたあとで、家族もそれぞれ休んでいる。夫婦となった自分たちの夜を邪魔するものはいない。
ーーーはずだった。

口付けながら、彰子の襟元に手を伸ばしたその時に、妻戸の向こうに微かな神気が降り立った。
彰子も気付いたようで、困ったような顔でこちらを見上げて、それから妻戸の方へと呼びかけた。


「六合?」


妻戸の向こうからは無言だが肯定する気配が感じられる。
一向に動く気配のないそれは、明らかに用があることを示していて、それはおそらく今でなくてはだめなことで。昌浩も彰子も、苦笑混じりに小さくため息をついた。


「ちょっと、行ってきます」
「……はい。ええと、気をつけて、ね?」
「うん」


昌浩は苦笑混じりに頷いた。

彰子は部屋を出て行く昌浩を見送って、昌浩は小さく手を振るまだ頬を染めたままの彰子に手を振り返して、ふたりはまたそれぞれ苦笑混じりの小さなため息をこぼした。







***



title:decadence

こんなんばっかりだ!!
私は昌浩と彰子をどうしたいのか!
いや、まぁこんな感じにしたいんですけどね(笑)

きっと、もっくんと玄武あたりがお前行けよーみたいな感じで軽く言い合っていて、で結局傍観してた六合が行かされるっていうような流れが屋根の上あたりであったんじゃないかと思う。

ようやく玉依姫編まで読了。
ふたりが離れてる状態なのでいちゃいちゃさせたかったのかもしれない…。


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